瀬戸内の中でも、大阪湾の汚濁源は、湾奥に流入する大和川と淀川である。
大和川は河口でのCODが年平均11㎎/lで、流量は年間平均流量は225万〓/day、 平水流量は約118万〓/dayで、CODの年間負荷量は約9千トンである。
また、淀川は枚方大橋で年間CODが平均4.5㎎/lで、流量は年間平均流量は約2, 136万〓/day、平水流量は約1,619万〓/dayで、CODの年間負荷量は約3万5 千トンである。
したがって、大和川の河口に合計面積約1平方km2(日浄化能力約200万〓/day)、 淀川の河口に合計面積約10㎞2(日浄化能力約2,000万〓/day)の「海洋の空(うつろ)」 を設置すれば、大和川や淀川の総流量に匹敵する水の浄化が可能である。(潮位差1m)
さらに、このような「海洋の空(うつろ)」内の静穏浄化水域の海洋空間を防災やエネ ルギ-基地、海洋牧場や魚つり公園等に利用することが可能である。
(ヘドロの浄化) 現在、大阪湾の透明度は約平均2.5m程度であるが、ウツロの内 部で6m、時には8mを記録することもあり、ウツロ内から流出するきれいな水によって外 側の水もきれいになる。 したがって、先の大和川や淀川の総流量に匹敵する年間約10 0億〓(2,200万〓/day×365day)の水を常に浄化し続けることにより、大阪湾全体の水質を きれいにし透明度を2.5mから→6m→さらに8mと浄化し、太陽光の到達水深(透明度の 3倍)7.5mより→18.0mから、さらには→21.0mと海底深く光を当達させることが出来 れば大阪湾の、海底のヘドロの浄化や底性生物の生息が可能になると考える。